あなたの知らないキテレツクラシックの世界

あなたの知らないキテレツクラシックの世界
上田治
上田治
安眠にはクラシックがおすすめです、なんてもう言わせない!むしろ、心踊る、眠れなくなるクラシックの数々をご紹介します。クラシックというと、ロックやポップスに比べて、ジャンル内の振り幅が狭いイメージをお持ちではないでしょうか?私はむしろ逆で、クラシックほど「その楽しませ方」に幅がある音楽はないと思いますよ。というワケで《あなたの知らないキテレツクラシックの世界》をご紹介します。
ギターを折るなんて生ぬるい!
ジミヘンしかり、ロックのギタリストがステージで感極まってギターを折るというパフォーマンスがありますが、クラシックも負けてません。それが《マウリシオ・カーゲルの「ティンパニとオーケストラのための協奏曲」》ここでは、なんとティンパニに頭を突っ込むよう、譜面に指示されています。
ゴーストとは言わせない!新垣隆の世界
クラシックというより、現代音楽といった方がしっくりくるかも知れませんね。ここ数年は積極的に他ジャンルとのコラボを推し進めている印象です。DJ KRUSH、槇原敬之、さらにはゴールデンボンバーまで。もうゴーストとは言わせない!
これはもう、未来のオーケストラ
スマホやタブレットだけで演奏!チェコ・ナショナル交響楽団によるカルメン《Un orchestre symphonique piège son public》。チェコ国立交響楽団のメンバー60人が、227台のデバイスを使い行われたこの演奏会、ライトセーバーぽい発光具合がまさに未来のオーケストラ!
沈黙は金なりとはまさに…
最後は、あまりにも有名な《John Cage's 4'33"》。音楽は音を鳴らすものという常識を覆す「無音の」音楽。とはいえ、この曲を聴くのに高いチケットを買う気には、なれませんよねえ、、、
ロックスピリット溢れるクラシック
《モーツアルトのLeck mich im Arsch》日本語に訳すと《俺の尻をなめろ》となるワケです。英訳するならsuck my ass!といった感じでしょう。美しい声楽曲なのですが、知らぬが仏。《尻をなめろ》と連呼しているなんて、ロックというよりパンク! いかがでしたか?《あなたの知らないキテレツクラシックの世界》!まず聴き手の中に、行儀よく、アートとして楽しまなければならない、という刷り込みがあるので、そこを逆手にとった愉しみ方も無限の広がりを見せてくれます。もちろん、王道のクラシックはそれ本来の価値として、芸術的に素晴らしいことが証明されているからこその、ウラメニューではあるのですが…。 最後にもう一つ、クラシックには《モーツアルトのLeck mich im Arsch》のように翻訳すると「俺の尻をなめろ」となるような、そもそもタイトルがキテレツなものが沢山あります。下にあるのはその一部ですが、如何にキテレツなタイトルがついているかお分かりいただけるだろうか。 ====== ●犬のためのぶよぶよとした本当の前奏曲/サティ Véritables préludes flasques ●「いつも片目を開けて眠る見事に肥った猿の王様を目覚めさせるためのファンファーレ」/サティ Sonnerie pour reveiller le bon gros Rois des Singes. ●「失われた小銭への怒り」/ベートーヴェン Die Wut über den verlorenen Groschen ●「膀胱結石手術図」/マラン・マレー Letableau del'opération dela taille ●「貴方が通りかかると、なんと腹が立つことでしょう」/ヴォルフ=フェラーリ Come tu mi fai rabbia quando passi ●5つの歌より「歯の痛み」/シューマン Fünf Lieder, Op. 55: No. 2, Zahnweh ●「低予算編成管弦楽団のための音楽」/ザッパ Revised Music For Low Budget Orchestra ●おい兄弟よ、ひとつ世を捨てて坊主にでもなるか/ヴォルフ ====== ※おすすめ楽曲にこれらを入れています。原題のタイトルが多いので上記を参考に聴いてみてください。 普段ハードルの高いクラシックへの入り口として、邦題をみて《キテレツクラシックの世界》を楽しんでみてはいかがでしょう!
上田治
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